厚生労働省は、外国人技能実習生を受け入れている事業場約1万カ所を対象に令和4年に実施した監督指導結果を公表した。調査した9829事業場のうち、73.7%に当たる7247事業場で労働基準関係法令違反がみつかっている。
違反事項では、「使用する機械等の安全基準」が2326事業場(違反率23.7%)で最も多く、以下、「割増賃金の支払い」1666事業場(16.9%)、「健康診断結果についての医師からの意見聴取」1583事業場(16.1%)、「労働時間」1545事業場(15.7%)などと続く。
技能実習の計画認定件数が多い5業種での違反率をみると、最も高いのは建設で、83.2%に達する。このほか、農業74.7%、食料品製造72.5%、繊維・衣服68.2%、機械・金属67.4%の順となっている。建設業では、割増賃金の違反が最も多い。
監督指導した農業のケースでは、始業開始前の朝礼への参加時間に対して賃金を支払っていなかった事業場に是正勧告を実施した。「朝礼後にタイムカードを打刻している」との情報を契機に、朝礼の時間帯に立入調査を行ったところ、タイムカードを打刻せずに朝礼を行っていたことを確認した。
労働新聞社『労働新聞』 令和5年8月21日第3413号1面 掲載記事より
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