厚生労働省がまとめた「令和4年度使用者による障害者虐待の状況」で、使用者から何らかの虐待を受けた障害者数が、前年度実績の1.3倍に上ることが分かった。虐待が発覚した事業所の7割超を従業員50人未満の中小企業・小規模事業者が占めている。労働局への通報・届出状況を集計した。
令和4年度に虐待に関する通報・届出があった事業所数は、前年度と同数の1230事業所。対象となった障害者数も1433人(前年度比2人増)で横ばいとなっている。
身体的虐待や性的虐待など、何らかの虐待があったことを確認した事業所数は前年度比38事業所(9.7%)増の430事業所に達した。その72.5%を従業員50人未満規模が占めている。虐待を受けた障害者は、154人(30.7%)増と大幅に伸びた。
虐待の種類別にみると、最低賃金の減額特例を受けずに最賃未満労働に従事させるなどの経済的虐待が375事業所、対象障害者600人で、事業所数、障害者数ともに最も多い。対象障害者数は420人だった前年度に比べて42.8%(180人)増えている。
労働新聞社『労働新聞』 令和5年9月25日第3418号1面 掲載記事より
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