厚生労働省は、中期的な障害者雇用対策のあり方を示す「基本方針」の改正案を労働政策審議会の分科会に提示した。昨年12月の障害者雇用促進法改正により、職業能力開発・向上に関する措置を実施することが事業主の責務として明確化されたことから、改正方針案では、事業主に対する助言を通じて、雇用の質の向上に向けた取組みを促進するとしている。改正方針の運用期間は令和5~9年度の5年間。
基本方針は、今年4月から段階的に施行される改正法の内容を踏まえて見直す。改正案では、事業主が行うべき雇用管理の留意事項を提示。適正な雇用管理に加え、職業能力の開発・向上に関する措置を行い、雇用の質の向上が図られるよう努めるものとした。
教育訓練については、障害者の活躍促進のために、障害特性や職務の遂行状況、能力を踏まえながら、必要に応じて実施するとしている。とくに精神障害者に対しては、本人の希望を踏まえ、多様な業務の経験、教育訓練、困難または高度な業務に就く機会を提供するなどして、能力開発やキャリア形成を図る。
障害者雇用の促進施策の基本事項には、法定雇用率の達成に向けた指導強化を盛り込んだ。ハローワークや就労支援機関などの連携により、企業における障害者雇用の準備段階から、雇用後の職場定着までの一連の支援を計画的に行う「チーム支援」を推進する。
このほか、法改正を踏まえ、能力開発・向上について事業主に助言などを行い、企業の取組みを促進するとした。
労働新聞社『労働新聞』 令和5年2月20日第3389号1面 掲載記事より
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