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育児期残業免除 小学校就学前まで延長 来年4月に施行へ 厚労省・育介法等改正案要綱

  • 執筆者の写真: 里絵 渡邉
    里絵 渡邉
  • 2024年2月15日
  • 読了時間: 3分

〇子の看護休暇も対象拡大

 厚生労働省は1月30日、育児に伴う残業免除期間の延長などを盛り込んだ育児・介護休業法などの改正法案要綱を労働政策審議会に示し、「おおむね妥当」との答申を得た。3歳未満の子を養育する労働者の請求に基づいて講じる残業免除の対象期間について、小学校就学前までに延長する。子の看護休暇も拡充し、対象となる子の範囲を現行の就学前から小学校3年生修了前に広げるとともに、取得理由として感染症に伴う学級閉鎖などを追加する。いずれも施行予定日は来年4月1日。今通常国会に改正法案を提出する方針だ。

 改正案要綱では、子を養育する労働者が請求した場合に、事業主が所定労働時間を超えて労働させてはならない労働者の範囲を、現行の「3歳に満たない子を養育する労働者」から「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」へ拡大するとした。勤続1年未満や、所定労働日数が週2日以下の労働者に対しては、引き続き、労使協定で適用を除外できる。

 子の看護休暇制度については、感染症に伴う学級閉鎖や、子の行事参加にも利用できるようにするとともに、請求できる期間を小学校3年生修了時まで延長する。対象となる行事は改正省令で示す予定としており、子の入園式や卒園式、入学式などが盛り込まれる方向だ。労使協定によって勤続6カ月未満の労働者への適用を除外できる仕組みは廃止する。取得理由の拡大を踏まえ、制度の名称は「子の看護等休暇」に変更する。

 業務の性質などを理由に、3歳までの子を養育する労働者に対して短時間勤務制度を講じない場合の代替措置のメニューも拡充する。現行の始業時刻の変更のほか、テレワークを加える。

 子が3歳までの両立支援策では、新たにテレワークを事業主の努力義務として追加する。

 子が3歳~小学校就学前の時期については、柔軟な働き方を実現するための措置を事業主に義務付ける。措置の内容として①始業時刻変更等の措置、②在宅勤務等の措置、③短時間勤務制度、④就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇の導入――などを挙げた。措置の詳細については省令で定める。事業者はこれらから2項目以上を選択して整備し、労働者が1項目を選べるようにする必要がある。

 労働者から妊娠・出産の申出があった場合に育児休業取得の意向確認を行う際は、子の心身の状況などを踏まえ、勤務時間帯や勤務地、両立支援制度の利用期間に関する意向も確認するよう義務付けるとした。確認した意向への配慮も求める。

 柔軟の働き方を実現するための措置や意向確認の義務化の施行日は、改正法の公布から1年6カ月以内の日とした。


労働新聞社『労働新聞』 令和6年2月12日第3436号1面 掲載記事より

 
 
 

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