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無期転換ルール・省令案 労働条件の明示強化 更新上限回数など追加 厚労省

  • 執筆者の写真: 里絵 渡邉
    里絵 渡邉
  • 2023年2月3日
  • 読了時間: 2分

〇施行は令和6年4月に

 厚生労働省は、有期契約労働者の無期転換ルールに関連し、申込機会の確保に向けた労働基準法施行規則などの改正省令案を明らかにした。無期転換申込権が発生する労働契約更新時に行う労働条件明示事項として、申込機会があることと、転換後の労働条件を追加する。さらに、雇止めを巡る紛争を防止するため、契約締結・更新時の明示事項に、通算契約期間と更新上限回数を加えるとした。施行予定日は令和6年4月1日。

 省令改正は、昨年3月に取りまとめられた「多様化する労働契約のルールに関する検討会」の報告書と、労働政策審議会の分科会での検討結果を受けて実施するもの。無期転換ルールの内容を知らない有期契約労働者が少なくないため、転換を希望する労働者の申込機会の確保などを目的に、労働基準法第15条に基づく労働条件明示の項目を追加する。

 具体的には、無期転換申込権が発生する契約更新時において、無期転換の申込機会と、転換後の労働条件について明示するよう義務付ける。就業場所や従事する業務内容のほか、賃金決定方法・支払い時期、始業・終業時刻など、法令上書面による明示が求められている事項については、転換後の労働条件を明示する際においても同様に書面交付で行うこととした。

 雇止めや無期転換を巡る紛争を未然に防止するため、初めて労働契約を締結するときや、契約を更新するときの労働条件の明示事項も追加する。新たに、通算契約期間または労働契約の更新回数の上限を明示するよう求めていく。

 このほか、無期転換後に勤務地限定などで働く「多様な正社員」を含め、すべての労働者の労働契約関係を明確にするため、労働条件の明示事項に就業場所・業務の変更の範囲を追加するとした。

 厚労省は、労基則のほか、有期労働契約の締結、更新および雇止めに関する基準(告示)も改正する方針だ。

 使用者は、有期労働契約の締結後に、通算契約期間や更新回数の上限を新たに定めたり短縮したりする場合は、あらかじめ、その理由を労働者に説明しなければならないこととする。

 無期転換後の労働条件明示に当たっては、労働契約法第3条の「均衡考慮の原則」を踏まえ、条件を決定するうえで考慮した事項について、労働者に説明するよう努めなければならないものとする。改正告示の適用は、改正労基則の施行と同じ6年4月1日を予定している。


労働新聞社『労働新聞』 令和5年1月30日第3386号1面 掲載記事より

 
 
 

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