政府はこのほど開いた新しい資本主義実現会議で、職務給の導入や、リスキリングによる能力向上支援、成長分野への労働移動円滑化を柱とした労働市場改革の論点案を示した。今年6月までにまとめる労働市場改革の指針において、日本企業におけるジョブ型雇用(職務給)の目的、ジョブの括り方、人材の配置・育成・評価方法、社内公募制度などについて整理し、多様なモデルを提示するとした。
指針の策定後は個々の企業の実態に合ったジョブ型雇用の導入が進むよう、年内をめどに、民間企業実務者を中心としたワーキンググループにおいて事例集を取りまとめる。
リスキリングを推進する施策として、雇用調整助成金の見直しを挙げた。企業が雇用調整を検討する際に、調整方法として労働者の休業よりも教育訓練を選択しやすくなるよう、現行制度で大企業2分の1、中小企業3分の2となっている支給率や、教育訓練実施時に支給する1人1日当たり1200円の追加支給額の変更を検討する。
労働移動の円滑化に向け、失業給付制度も見直す。自己都合で離職した場合に求職申込後2~3カ月間受給できないとする現行要件の緩和を進めていく。
労働新聞社『労働新聞』 令和5年5月1日第3399号1面 掲載記事より
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