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子育て支援金 負担額は月1250円に 労働者1人当たりで こども家庭庁

  • 執筆者の写真: 里絵 渡邉
    里絵 渡邉
  • 2024年3月7日
  • 読了時間: 2分

〇改正法案を通常国会提出

 こども家庭庁は子ども・子育て支援金制度の創設などを盛り込んだ子ども・子育て支援法の一部改正法案を今通常国会に提出した。同支援金は令和8年度から開始するもので、健康保険の保険料に上乗せして徴収する。負担額は労働者1人当たり月1250円(労使計)ほどになる見込みだ。政府は少子化対策として、3.6兆円の財源を確保する方針を掲げている。このうち1兆円について、企業を含めた全経済主体に負担を求めるとしていた。同支援金の規模は8年度6000億円、9年度8000億円、10年度1兆円と、3年度をかけて段階的に拡大させていく。

 政府は少子化対策として、3.6兆円を投入する方針を掲げている。このうち1.5兆円については既定予算の最大限の活用、1.1兆円は歳出改革の徹底により賄う。残りの1兆円を同支援金の新設により確保するとしていた。

 改正法案には、同支援金の具体的な制度設計を盛り込んだ。制度は8年度から開始し、10年度までの3年度をかけて段階的に拡大させていく。財政規模は8年度が6000億円、9年度が8000億円、10年度が1兆円となっている。8.9年度については、特例公債と合わせて1兆円を確保する。

 徴収事務は組合健保や全国健康保険協会(協会けんぽ)などの医療保険の保険者に委託する。企業や労働者は、毎月の健康保険の保険料に上乗せで徴収される形となる。政府は1人当たりの負担について、8年度は月平均300円弱、9年度は400円弱、10年度は500円弱としている。

 保険者ごとの負担については、まず現役世代と後期高齢者の間で、保険料負担に応じて按分する。負担割合は、8~9年度は92対8となっており、10年度以降は2年度ごとに内閣総理大臣が告示により示す。現役世代は、国民健康保険と被用者保険との間は加入者数に応じて按分する。被用者保険間では、それぞれの保険者の総報酬に応じた額を振り分ける。

 4年3月末時点の被保険者数などをもとに、本紙が試算した結果によると、現役世代の平均負担額は1人当たり月746円となった。被用者保険の被保険者は労使合計で月1248円となっている。被用者保険間は総報酬割により按分するため、報酬の高い健保組合や共済組合は負担額が平均より高く、協会けんぽは低くなるとみられる。

 政府は同支援金について、賃上げの効果と歳出改革を通じた社会保障費の伸びの抑制によって、実質的な負担を生じさせないとしている。しかし、企業労使にとっては毎月の負担額が目に見えて増える形となる。


労働新聞社『労働新聞』 令和6年3月4日第3439号2面 掲載記事より

 
 
 

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