労働政策審議会の分科会は、障害者雇用納付金制度関連助成金の拡充や不正受給対策の強化を盛り込んだ障害者雇用促進法施行規則改正案要綱を了承した。職場への適応が困難になった中高年齢等障害者の雇用継続に向けて、必要な施設の設置、能力開発、職場介助者や手話通訳などの配置・委嘱に取り組む事業主への支援を新設する。
助成金の拡充は、令和6年4月に施行する改正障害者雇用促進法に基づく対応。改正法では、加齢に伴う心身の変化によって職場への適応が困難になった障害者に対し、雇用継続のための措置を行う事業主向けの助成金を創設するとしている。
これを受けた同規則の改正では、業務遂行に必要な施設の設置などを支援する障害者作業施設設置等助成金や、職務遂行に必要な介助者などの配置・委嘱を支援する障害者介助等助成金などを見直す。各助成金の支給対象として、加齢によって職場への適応が難しくなった35歳以上の障害者への措置を加える。
基本的知識・技能の習得に向けた研修を行う事業主については、障害者介助等助成金の対象とする。助成率は4分の3で、支給額の上限は、障害者1人当たり年額20万円。中小企業や障害者を多数雇用している場合は同30万円が限度となる。
助成金の不正受給対策も省令に明記する。納付金の納付状況が著しく不適切だったり、過去5年以内に虚偽などによって助成金の支給を受けた事業主は不支給とする。助成金の返還命令や、事業主名の公表制度も定めるとした。
労働新聞社『労働新聞』 令和5年6月26日第3406号1面 掲載記事より
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