厚生労働省は9月21日、一定の収入を超えると社会保険料負担が生じる「年収の壁」解消に向けて、年金制度における複数の対応案を社会保障審議会年金部会に示し、議論を開始した。
手取り収入の減少を解消するために、「壁」(106万円)を超えた労働者の保険料負担を免除する仕組みを導入した場合、負担や給付面で不公平が生じる恐れがある。そのため、労使それぞれの保険料負担や、給付内容、対象者の範囲などについて、さまざまなパターンを提示した。
たとえば、労働者の保険料負担では、社保適用直後から複数年かけて通常の料率まで引き上げていく方法や、標準報酬月額が高くなるにつれて料率を引き上げていく方法などを挙げている。
本人の負担を全額免除した場合の給付のあり方では、基礎部分・報酬比例部分ともに満額支給する案のほか、使用者の負担額を考慮し、報酬比例部分の支給を半額に減額する案を提示。本人負担の免除割合に応じて報酬比例部分をカットするパターンなども示した。
労働新聞社『労働新聞』 令和5年10月2日第3419号1面 掲載記事より
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