東京労働局(辻田博局長)は、令和3年度に長時間労働の疑いがある事業場に対して実施した監督指導の結果を取りまとめた。指導した3458事業場のうち、1325事業場(38.3%)で違法な時間外労働が発覚している。同労働局監督課は、「新型コロナウイルスの影響で人員を削減したものの、コロナ禍が落ち着き始めてからは人手が足りず、労働時間の増加に影響しているようだ」と話している。
違法な時間外労働があった事業場のうち、471事業場で月80時間を超える時間外労働が認められた。月100時間超えは323事業場、月150時間超えは80事業場、月200時間超えは28事業場となっている。
指導を実施した事業場に対しては、労働時間の管理方法も確認した。最も多かったのが「自己申告制」で、1282事業場に上っている。「タイムカード」は1032事業場、「ICカード、IDカード」は724事業場、「PCの使用時間の記録」は303事業場だった。
そのうち労働時間の把握が不適正だったのは、830事業場だった。指導内容としては、「自己申告制の場合に、実態調査の実施」が不適正だったケースが半数を占めている。
労働新聞社『労働新聞』令和4年11月14日第3376号3面 掲載記事より
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